S君の結婚式の翌日、S君夫妻が台北に来てみんなでご飯に行くことになったんやけど、それは夕方のこと。その日の日中はYさんが僕たちを台北の古い問屋街に連れて行ってくれることになった。それは、今まで見てきた台北の西門や士林夜市とは全く雰囲気の違う、なんだかちょっと懐かしい街やった。
その日の朝、Sさん夫妻が旦那さんの運転で迎えにきてくれはった。
「なあ、ロンドンくん、僕らはこれからどこに行くんや?」
「台北市の西部、大同区の中にある迪化街(ディーホアジエ)というところだよ。歴史ある問屋街で特に漢方とか乾物のお店が集まってるので有名で、観光客がお土産を買いにくるらしい」
「へ〜、どんな街かあんまり想像つかへんけど、歴史ある街なんは興味をそそられるな」
「ほ〜、お前、いつから歴史好きになったんだ?笑」
「何を言うんや、僕はな、伊達に京都生まれやない。僕の血にはな、悠久の歴史が流れとるんや!」
「それを言うなら南極の氷の歴史じゃないのか?確かに人類の歴史なんて相手にならないくらいの悠久の歴史だな。氷しかないけどな笑」
むかっー!きっとこいつには南極の氷より冷たい血が流れとるに違いない。ロンドンくんのヘソの上ならアイスクリーム作れるできっと!そんなん食いたくないけどな!!
こんなしょーもない言い合いをロンドンくんとしとったらあっという間に目的地に着いた。車を降りてホンマびっくりした。街ごとレトロやった・・・。


迪化街に着いた僕たちは、まず朝食を食べることになった。Sさんが、台湾の若者たちが朝に食べる軽い食事をぜひ食べさせてあげたいということだった。台湾の人たちは朝食を外で食べるのが習慣みたいで、Sさん夫妻も若い頃は外でこんな食事をしていたんやて。へ〜、どんなんが食べられるのか楽しみや!お店には地元の若者たちが既に並んでる様子。美味しいお店の証拠や!そんなところをパシャリしたった。

そして、出てきた朝食はめっちゃ美味しかった〜。食いしん坊先生も大満足やね。

お腹を満足させた後、僕たちは問屋街を散策することに。何か面白そうなもの見つかるかな。先生なんか、台湾にしかない珍味の食材を買うんやって、テンションあげあげやったなあ笑


Yさんに通訳してもらいながら先生が乾物やら漢方の品定めしとる横で、ロンドンくんは街の歴史的建物に興味を持ったみたい。



Yさんがロンドンくんに説明してたんやけど、この街は日本統治時代の20世紀のはじめごろ、烏龍茶や漢方薬、布、乾物なんかを取扱うお店が集まってきて、今のようになったんやて。当時から日本人には烏龍茶が大人気で大きなビジネスになったとか。その商人の豊かさを象徴する煉瓦造りの街並みになったんやて。上の写真は、かつて日本人の商人が使っていた住宅なんやて。僕もこんなお家に住んでみたいわ〜。
だいぶこの街を散策したところで、Yさん夫妻が小腹を満たすのにいい、美味しいお店があるって連れて行ってくれたのが、お饅頭の生地にお肉とかを挟んで出すサンドイッチ屋さん。ここも美味しかった〜

再び歩き出した僕たち。なんかロンドンくんがふつーの通りの写真を撮ってた。

ペンタ「何か面白いものでもあったん?」
ロンドンくん「いや、なんの変哲も無い通りだよ。でもなんか、髭男の「Pretender」のPVに出てくる通りに何となく雰囲気が似てると思ってな」
ペンタ「あ、あのロンドンくんが好きな歌やな。そういえばあのPVは台北で撮影されたんやったね。確かにこんな雰囲気の通りが出てくるな」
この時、僕は思ったんや。あ、こいつの今晩のバスタイムカラオケは髭男のPretenderやなって・・・。聞かされる方の身にもなって欲しいわ・・・ホンマ。
こうしてレトロな街・迪化街の散策は終わり、S君夫妻と合流するために次の目的地に向かった。つづく
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