台湾旅行の喜録 その12 雨に煙る九份

台湾旅行の喜録

ロンドンくんのせいでちょっとごたついたけど、なんとか九份に向けて出発できた僕たち。

車から台湾の発展ぶりや何となく懐かしい景色を眺めながら、みんないろんな話題で盛り上がってたなあ。僕は、まだ見ぬ九份の夜景を想像してワクワクが止まらんかった。でも、天気がちょっと気掛かり。台北周辺は曇りだったんやけど、九份は海に面した山の上にあって雨がすごく多いんやて。案の定、近づくにつれて雨が降り出してきて、山を上るとだんだん強くなってきた。さて、到着した時、天気はどうなっとるかな・・・

九份に到着する前に、Sくんは僕たちを金山跡にある博物館に連れて行ってくれた。

「なあ、ロンドンくん、この辺りでは金が採れたんやね」

「九份の近くには金瓜(きんかせき)神社というのもあって、それは日本統治時代に金の採掘事業を行っていた日本人が建立した神社らしいぞ」

Sくんも九份の辺りは金の採掘事業で発展した地域だと詳しく教えてくれた。金山の跡地にはまだ日本時代の建物が残っていて見る価値があるんやて。なんか楽しみやな。

まず、S君が車を停めたところは、珍しい滝が見られるというところやった。

「おー、これは迫力があるなあ」

みんなが滝の迫力に圧倒されていると、いろいろとS君が説明してくれた。ここの岩には金属が含まれていて、岩肌が黄色っぽい色してるんやて。なるほど、金山ならではの滝ちゅうことやな。

そこから少し山を上がったところに黄金博物館があり、僕たちはまず、日本人が建てたという住宅を見学して、それから博物館の展示を見学。最後は実際に砂金取りを体験させてもろたで。

「ロンドンくん、ほんまに金が採れるんやなあ。ここに何回も来たら僕らお金持ちになれるなあ〜」

「そうだな、あと100万回くらいくるか笑」

楽しい金山見学を終えた僕たちはいよいよ九份に到着した。心配していた天気はというと、生憎のじゃじゃ降りの雨やった・・・まあ、でもせっかく来たんやし楽しまなあ。 

まずは腹ごしらえや。

S君が、魚の団子のスープの美味しいお店に連れて行ってくれた。雨でちょっと寒かったので、体も温まって、ほんま美味しかった〜。

お次は、台湾の名産、烏龍茶を楽しむで!ということで、阿妹茶楼というお店に入った。

このお店はとても有名で、九份といえば阿妹茶楼というくらいこの街のシンボル的な存在になっとるんや。晴れていれば美味しいお茶を飲みながら、窓から目の前に広がるきれいな海を眺めることができたということやけど、お天気には勝てへんからな・・・その絶景はいつか見に来ような、ロンドンくん。

ロンドンくん「お前、先生には絶景を見せてあげなくていいのか?薄情だな・・・」

ペンタ「な、何をいうてんねん!またみんなでくるに決まっとるやろが。なんなら僕がみんなを招待するしな、ふん!!」

ロンドンくん「おっ、大きく出たな。それは楽しみだな笑」

し、しまった・・・つ、ついロンドンくんの挑発に乗ってしもた・・・ま、でも何とかなるやろ・・・でも、この次はみんなで絶景見たいな、ほんま・・・

そうこうしているうちにいよいよ日が暮れてきて、街に灯がともり始めたで。

阿妹茶楼を外から見ると、こんなに綺麗なんや。街のシンボルになるだけのことはあるで。

今回、綺麗な海を眺めることはできひんかったけど、雨に煙る九份の夜景もよかったな。これこれでとても綺麗くて、ぜったい忘れへんわ〜。Sくん、雨の中いろいろと案内してくれて、ほんとありがとうな!それと、綺麗な写真も!思い出の写真、大事にするしな。

こうして僕たちの台湾旅行の最後のイベント、「九份の夜景を見る遠足」は無事に終わった。

明日はとうとう帰国の日。帰りたくないな・・・

「ロンドンくん、明日は台湾旅行の最後の日やけど、何するん?」

「そりゃ、決まってるだろ。先生と一緒に美味しいもん食いまくるんだよ」

「おうよ!なんか、寂しいけど、元気出てきたで!」 

つづく

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