「フィッシュ&チップスって何でチップスは複数形なのに、フィッシュは複数形じゃないの?」
「それは、あれだよ、魚が一匹しかお皿にのってないからだよ。」
「ふーん、でも、時々、二匹のってるとこあるで?」
って、ロンドン君に突っ込んでたら、とても親切で優しいロンドン君は、
「じゃ、てめぇだけ、複数形で呼んでやがれ!」とキレて、お芋のチップでなぐられました…
僕が泣きながら、これからは「Fishes & Chips」って言いますって言ったら、
ロンドン君が優しく不気味に(リヴァイ兵長みたいに)言いました。
「複数形でも Fish & Chips だけどな」
僕は衝撃のあまり、タルタルソースの海に落ちました…
そこにはお魚はいませんでしたが…
ロンドン君は「タルタルソースが汚れちまったじゃねーか」とボソッと言いました。
そして、こう続けました。
「fish の複数形は一般的には fish だ。よく覚えておけ。だが、fishes も完全に間違ってるともいえない。ただ一般的ではないだけだ。だがな、これだけは覚えておけ、fish に複数形がないなんてぬかす奴は、この俺が何枚かに切りさばいてやる」
僕はロンドン君の圧倒的な狂気を目の当たりにしながら、いつか、こいつのうなじを切りとってやると心に誓いました。見てろよ!
ただ、ロンドン君はこうも言っていた。
「この世で、俺たちが正しいと思っていることなんて、所詮誰かの勘違いから始まっているのかもしれねぇけどな」
何を言いだすんだ、このおっさん…と聞いていると、ロンドン君は遠くを眺めながら続けて言った。
「あの『メダカの学校』だってな、本当は『学校』なんて最初から存在しなかったのかもしれねぇ。」
僕は思わず言った。
「それじゃ、メダカさんたち困るやん!」
「ああ、そうさ、困るのはいつも、何も知らないでただ生きている者たちだけだ。だがな、真実は、こうだ…」
「な、何ですか…」
「『school』という単語には『魚の群』という意味がある」
「そ、それじゃ、メダカの学校は、本当はメダカさんの群…」
「そうだ。俺たちはみんな、誰かに記憶を書き換えられていたらしい…」
と言っまま、ロンドン君は窓の外を見つめ続けていました。
おしまい
(今日は月曜日だから…ね)
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